社会人が夜間専門学校で利用できる教育訓練給付制度とは
「専門実践教育訓練給付金制度」をご存知でしょうか?
平成26年10月1日から、教育訓練給付金の給付内容が拡充され、中長期的なキャリアアップを支援するために、厚生労働大臣が専門的で実践的な教育訓練として指定した講座を受けた場合に、一般の講座よりも高い給付として、「専門実践教育訓練給付金」をもらえるようになりました。
この「専門実践教育訓練給付金制度」は夜間専門学校の夜間部でも利用することが可能です。
ただし、雇用保険制度の一つですから誰でも受給できるわけではなく、給付を受けられるのは、まず、講座の初回受給の場合、講座の受講開始日までに通算して2年以上の雇用保険の被保険者期間を有している人が対象になります。
また、平成26年10月1日前に教育訓練給付金を受給した人の場合は、講座の受講開始日までに通算2年以上の雇用保険の被保険者であることが条件になります。
それ以降に「教育訓練給付金」を受給した場合には、前回の受講開始日から次の専門実践教育訓練の受講開始日前までの間に10年以上雇用保険被保険者期間を有しているという条件が付きます。
この場合、当該専門実践教育訓練の受講開始日前までに、前回の教育訓練給付金の受給から10年以上経過していない場合は、対象とならないので注意する必要があります。
対象となる資格は、看護師、助産師、作業療法士、美容師、保健師、社会福祉士、保育士などさまざまで、学生時代になりたかったけれど学校に通えずになることができなかった仕事や、就職してからなりたいと思った仕事の資格を得て、転職することもできます。
社会人で指定の雇用保険の被保険者期間を有している人であれば、夜間専門学校の金銭的な負担を少なくしてあこがれの資格取得を目指すことが可能です。
- 助産師
- 看護師
- 准看護師
- 診療放射線技師
- 臨床検査技師
- 理学療法士
- 作業療法士
- 視能訓練士
- 言語聴覚士
- 臨床工学技士
- 義肢装具士
- 救急救命士
- 歯科衛生士
- 歯科技工士
- あん摩マッサージ指圧師
- はり師・きゅう師
- 柔道整復師
- 美容師
- 理容師
- 測量士
- 電気工事士
- 建築士
- 海技士
- 水先人
- 操縦士
- 航空整備士
対象となる業務独占資格
- 保健師
- 調理師
- 栄養士
- 社会福祉士
- 精神保健福祉士
- 保育士
- 製菓衛生師
対象となる名称独占資格
例えば保育士の資格の場合
例えば保育士の資格の場合、お仕事が終わった後に専門学校などの夜間部に通うことで取ることができます。
保育士の資格は、夜間学校で取ることができる資格の中でも大変人気のあるものです。
そもそも保育士の資格は、厚生労働大臣の指定する保育士を養成する指定保育士養成施設で、所定の科目を履修することで取得できます。
通常であれば、昼間の保育専門学校の場合は2年間で所定の科目を履修すると卒業と同時に保育士資格を取得することになります。
ですが、夜間専門学校の場合は授業時間が短いため、2年もしくは3年間で所定の科目を履修して保育士資格を卒業と同時に取得することになるので、年間でだいたい600,000円〜700,000円かかる夜間学校が多いので、昼間の専門学校よりは安いですが、それなりに金銭的な負担も大きいと言えます。
「専門実践教育訓練給付」を利用すれば、講座費用のうち40%が返還されます。
さらにその資格が活かせる仕事に就いている、もしくは1年以内に仕事に就いた場合はさらに20%追加されます。
そのため、最大で合計60%の支給を受けることができます。
このように「専門実践教育訓練給付金制度」を利用することによって、金銭的な負担を大幅に減らすことが可能です。
「教育訓練支援給付金」詳細は、夜間専門学校のホームページや最寄りのハローワークで確認しましょう。
もちろん、社会人が仕事をしながら勉強をするということは簡単なことではありませんが、よりよいキャリアを考える上で、「専門実践教育訓練給付金制度」を利用することは将来のための一つの選択肢となります。