夜間専門学校で「将来性のある医療系の資格を取りたい」「働きながら国家資格を取りたい」そんな風に考えている方に、今、強くおすすめしたいのが「視能訓練士(しのうくんれんし)」です。夜間専門学校で学べるため、社会人からのキャリアチェンジも十分に可能で、その需要は年々高まっています。
この記事では、視能訓練士とは一体どんな仕事なのか、なぜこれほど将来性が高いのか、そして夜間専門学校で資格を取得するための具体的な道のりまで、あなたが知りたい情報をすべて網羅して徹底的に解説します。
01 夜間専門学校で取れる視能訓練士とは?
まずは、視能訓練士という仕事の基本から理解を深めましょう。視能訓練士は国家資格です。「見る」を支えるプロフェッショナルです。眼科領域における専門的な知識と技術を持つ「眼科コメディカル」と呼ばれる医療技術者です。
視能訓練士の定義と役割 - 眼科医療チームの一員
視能訓練士は、1971年に制定された「視能訓練士法」に基づく国家資格です。主な役割は、医師の指示のもとで、人々の「視機能(見る力)」に関する専門的な検査を行い、斜視や弱視といった視機能に問題がある方々に対して矯正訓練を行うことです。眼科医、看護師などと連携するチーム医療において、視機能のエキスパートとして欠かせない存在となっています。
具体的な仕事内容 - 3つの柱「検査・訓練・リハビリ」
視能訓練士の業務は、大きく分けて以下の3つに分類されます。
生理学的検査(視機能検査)
眼科で行われる様々な検査を担当します。これらは病気の診断や治療方針の決定に不可欠なデータとなります。
- 視力・屈折・調節検査 基本的な見る力を測ります。
- 眼圧検査 緑内障の診断に重要な検査です。
- 視野検査 見える範囲を測定し、緑内障や脳の病気の発見に繋がります。
- 両眼視機能検査 両目を使って物を立体的に見る力(立体視)などを調べます。
- 眼球運動検査 目の動きを調べ、斜視の診断を行います。
斜視・弱視の視能矯正
特に子どもの視機能発達において重要な役割を担います。視線がずれる「斜視」や、眼鏡をかけても視力が上がらない「弱視」に対して、専門的な訓練プログラムを実施し、正常な視機能の発達を促します。
- 大型弱視鏡やプリズムを用いた訓練:専門的な機器を使い、両眼で正しく見る能力を引き出します。
- 健眼遮蔽法(アイパッチ)の指導:良い方の目を隠して、弱視の目を強制的に使わせる訓練の管理・指導を行います。
視機能が低下した方へのリハビリテーション(ロービジョンケア)
病気や怪我によって視機能が低下し、生活に不自由を感じている方々に対し、残された視機能を最大限に活用するためのサポートを行います。拡大鏡や遮光眼鏡などの補助具の選定や、使い方のアドバイス、生活しやすい環境設定の指導など、QOL(生活の質)の向上を目指します。
活躍の場は病院だけじゃない!多様なキャリアパス
主な就職先
※出典 全国視能訓練士学校協会|広報資料
視能訓練士の主な勤務先は病院や眼科クリニックですが、活躍の場はそれだけにとどまりません。国家資格を取れば全国の医療機関などさまざまな勤務先で働くことができます。
- 医療機関:大学病院、総合病院、眼科専門クリニックなど。
- リハビリテーションセンター:視覚障がい者の社会復帰を支援します。
- 保健所・学校:乳幼児健診や学校検診での視機能スクリーニングを担当します。
- 教育・研究機関:専門学校や大学で後進の育成や研究に携わります。
- 医療関連企業:眼科医療機器やコンタクトレンズメーカーで、製品開発や営業サポートを行います。
02
なぜ今、視能訓練士が求められるのか?
高い将来性と社会的な需要
視能訓練士の資格が「将来性が高い」と言われるのには、現代社会が抱える課題に直結した明確な理由があります。
【理由1】超高齢化社会と眼疾患の増加
日本は世界でも類を見ない超高齢化社会に突入しています。加齢に伴い、白内障、緑内障、加齢黄斑変性といった眼の疾患リスクは高まります。特に緑内障は中途失明原因の第1位であり、早期発見・早期治療が非常に重要です。そのため、専門的な視野検査などを行える視能訓練士の役割は、今後ますます重要になります。
【理由2】デジタルデバイスの普及と子どもの視力問題
スマートフォンやタブレット、PCの長時間利用は、大人だけでなく子どもたちの目にも大きな負担をかけています。近視の低年齢化や、いわゆる「スマホ斜視」といった問題が指摘されており、子どもの視機能の発達をサポートする視能訓練士の専門知識が求められています。
【理由3】AIに代替されない専門性とコミュニケーション
多くの仕事がAIに代替されると言われる中、視能訓練士は「人間にしかできない仕事」の代表格です。検査データの数値を読み解くだけでなく、患者様一人ひとりの表情や反応を観察し、不安に寄り添いながらコミュニケーションを取って検査や訓練を進めるスキルは、AIには真似できません。特に、集中力が続かない子どもや、不安を抱える高齢者への対応には、高い専門性と人間性が求められます。
気になる年収とキャリアアップ
視能訓練士の勤続年数と年収
※出典 全国視能訓練士学校協会 2010広報資料
2010年時点の全国視能訓練士学校協会の広報資料によると、視能訓練士の平均年収は、初任給は18万~20万で他の医療職とほぼ同じです。ただし、地域や業務内容によって異なります。2025年現在の視能訓練士の求人情報を調べると、20万円〜25万円という求人が散見されるため、この15年間で上昇傾向にあることがわかります。視能訓練士は給与こそそれほど高くありませんが、医療系の国家資格の中でも今後需要が見込め、国家資格を持つ医療専門職として全国の医療機関どこでも働けて安定した収入が期待できます。
また、視能訓練士としての経験を積むことで、主任や技師長といった管理職へのキャリアアップや、複数のクリニックを掛け持ちしたり、専門性を活かして教育や研究の道に進んだりと、多様なキャリアプランを描くことが可能です。なによりも、国家資格を持っているため、全国のさまざまな医療機関で働くことができます。
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視能訓練士の学校を探す
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働きながら通える!
夜間専門学校で視能訓練士になる方法
社会人で「日中は仕事があるから学校には通えない」と諦める必要はありません。視能訓練士は、社会人が働きながらでも目指せる資格です。その鍵となるのが夜間専門学校の存在です。
視能訓練士になるためのルート
国家試験の受験資格を得るには、高校卒業後、文部科学大臣が指定する養成施設で学ぶ必要があります。ルートは主に以下の2つです。
高校卒業者向け(3年制以上)
専門学校(昼間部)や大学で3年以上学びます。
※視能訓練士の学校は一般的には「昼間部3年制」と「夜間部1年制」の構成となっています。
※2025年現在、大阪医専のみが「視能訓練士の学校で唯一、3年制の夜間コース」を設置して3年制夜間部を提供しています。
大学・短大卒業者向け(1年制または2年制)
大学等で指定された科目を履修済みの場合、1年制の専攻科で学ぶことができます。
大学・短大卒業者の夜間部(1年制)への入学資格
下記の A と B とも満たしている方
学校教育法に基づく大学(短期大学含む)を卒業もしくは2年以上修業した方
厚生労働大臣指定の保育士または看護師を養成する学校及び施設で2年以上修業した方
指定する必修科目7科目と、選択科目の中から2科目の計9科目を履修している方
- 外国語
- 心理学
- 保健体育
- 生物学
- 物理学
- 数学
- 統計学
- 教育学
- 倫理学
- 精神衛生
- 社会福祉
- 保育
夜間専門学校のメリット・デメリット
社会人にとって夜間部は大きな魅力ですが、メリットとデメリットを正しく理解しておくことが成功の秘訣です。
メリット
- 働きながら学べる
収入を維持しながらキャリアチェンジを目指せます。 - 同じ志の仲間と出会える
互いに励まし合いながら目標に向かうことができます。 - 実践的なスキルが身につく
眼科助手などとして働きながら学ぶ学生も多く、理論と実践を結びつけやすい環境です。
デメリット
- 学習時間の確保が大変
タイトなスケジュール管理と自己管理能力が求められます。 - 体力的な負担
仕事と学業の両立は体力を消耗します。健康管理が重要です。
どんなことを学ぶ?夜間学校のカリキュラム
夜間学校でも、昼間部と同じく質の高い教育が提供されます。学ぶ内容は基礎から専門まで幅広く、座学と実習で構成されます。
- 基礎分野:生物学、心理学、英語など
- 専門基礎分野:解剖学、生理学、薬理学、病理学、リハビリテーション概論など
- 専門分野:視機能生理学、眼科学、視能検査学、視能矯正学、視能訓練学内実習、臨床実習など
特に臨床実習は、実際に病院などの医療現場に出て、指導者のもとで患者様と接する重要な科目です。夜間部の学生は、この期間中は仕事を休むか、調整する必要が出てきます。
学費はどれくらい?奨学金や教育訓練給付金制度
学費は学校によって異なりますが、夜間部1年制の場合、160万円程度となっています(※大卒で指定単位を履修済みの場合)。学費は決して安い金額ではありませんが、昼間部に比べると非常に安く、また奨学金など利用できる制度があります。
専門実践教育訓練給付制度
社会人にとって非常に重要な制度です。一定の条件を満たす雇用保険の被保険者が、指定講座を受講した場合、教育訓練経費の一部(最大70%)がハローワークから支給されます。多くの視能訓練士養成校が対象となっています。
奨学金・教育ローン
日本学生支援機構(JASSO)の奨学金や、学校独自の奨学金、病院が設けている奨学金、国や民間の教育ローンも選択肢の一つです。
04 国家試験の合格率と対策のポイント
養成校での学びの集大成が、年に1回(例年2月)実施される視能訓練士国家試験です。
非常に高い合格率とその理由
視能訓練士国家試験の合格率は、全体の合格率が90%前後、新卒者に至っては95%前後と、いずれも非常に高い水準で推移しています。これは、夜間専門学校を含む視能訓練士の養成校が国家試験合格を目標に、手厚いサポート体制を敷いているためです。学校のカリキュラムに沿って真面目に学習を進めれば、合格は十分に可能です。
視能訓練士の国家試験合格率
| 年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 2021年 | 850人 | 774人 | 91.1% |
| 2022年 | 842人 | 773人 | 91.8% |
| 2023年 | 943人 | 842人 | 89.3% |
| 2024年 | 976人 | 929人 | 95.2% |
| 2025年 | 911人 | 882人 | 96.8% |
出典:国家試験合格発表|厚生労働省
05 視能訓練士に求められる資質とは
最後に、どのような人が視能訓練士に向いているのか、求められる資質について考えてみましょう。
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コミュニケーション能力が高い人 子どもからお年寄りまで、様々な患者様と接します。相手の不安を和らげ、信頼関係を築きながら検査や訓練を進める力が不可欠です。
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根気強さと観察力がある人 地道な訓練を続ける根気強さや、患者様のわずかな変化も見逃さない鋭い観察力が求められます。
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知的好奇心と学習意欲がある人 医療は日進月歩です。卒業後も学会や研修会に参加し、常に新しい知識や技術を学び続ける意欲が大切です。
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協調性がある人 医師や看護師など、他の医療スタッフと連携して仕事を進めるチームの一員としての協調性が求められます。
06 まとめ:夜間専門学校で取れる国家資格、視能訓練士
夜間専門学校で取れる国家資格、視能訓練士は、専門的な知識と技術で人々の「見る」という大切な機能を支える、非常にやりがいの大きな仕事です。今後需要増加が見込め、他の医療資格と比べて将来性が高い国家資格です。全国視能訓練士学校協会によると2025年現在、視能訓練士は6割も不足しているといわれており、高齢化とデジタル化が進む現代社会において、安定した将来性を持つ魅力的な国家資格と言えます。
そして、その資格は「夜間専門学校」という選択肢によって、社会人として働きながらでも十分に目指すことができます。もちろん、仕事との両立は簡単な道ではありませんが、この記事で解説した情報を参考に、ぜひあなたの未来の選択肢の一つとして、視能訓練士への道を検討してみてはいかがでしょうか。
この記事のチェックポイント!
- 視能訓練士は国家資格で、視機能の検査・訓練・リハビリを担当
- 勤務先は病院、眼科クリニック、リハビリセンターなどで活躍可能
- 高校卒は3年制、大学・短大卒は1~2年制の養成施設で国家試験受験資格を取得可能
- 国家試験の合格率は90%前後で非常に高い
- 視能訓練士は不足しており、全国どこでも安定して働くことができる